新電力(PPS) 太陽光発電の売電先を切り替えても大丈夫?
最近このサイトでも取り上げているように、太陽光発電の電力買取をおこなう新電力が増えてきています。
新電力各社によってサービス内容・対応エリアが異なりますが、売電先を切り替えることで「+1円買取」「+α円買取」や「無料メンテナンス提供」「キャッシュバック」など様々なサービスを提供しています。 しかし、新規参入した新電力に売電先を切り替えることに、不安感や心配な点がいくつかあると思います。ここでは、そういった問題点について説明してみたいと思います。
新電力が倒産や不測の事態になったときはどうなるの?
やはり一番気になる点は、これかと思います。
「新電力へ売電先を切り替えたのは良いが、その後、新電力が倒産した場合どうなるのか?」
もしかして、売電が不可能になる?!
買取価格はどうなる?!
心配ありません。
1.売電先に関して
元の電力会社に戻す、もしくは 新たに新電力へ売電先を切り替える ことが可能です。
新電力が倒産などで買取をおこなえなくなった場合、そのエリアの一般電気事業者(東電・関電などの大手電力会社)へ連絡し、買取を再開することが可能です。
また、新たに別の新電力へ切り替えるといったことも可能です。
2.買取価格に関して
プレミアム価格の「+1円」や「+α円」はなくなってしまいますが、元々適用された固定価格(40円・36円・32円など)に戻るだけで、価格が下がったりはありません。
3.買取期間に関して
買取期間も残存期間がそのまま適用されます。
買取期間が20年だったとして、1年目に新電力に切り替え、3年目に元の電力会社に戻したとすると、残り17年の買取期間はそのまま継続されます。
再エネ特別措置法 第四条による買取義務
固定価格買取制度は、電力会社が自主的におこなっているのではなく、国が電力会社に義務づけているものになっており、以下、再エネ特別措置法で買取は保護されています。
つまり、新電力から、再度一般電気事業者へ売電先を戻すことを電力会社が拒否することは出来ません。
電気事業者は、特定供給者から、当該再生可能エネルギー電気について特定契約(当該特定供給者に係る認定発電設備に係る調達期間を超えない範囲内の期間(当該再生可能エネルギー電気が既に他の電気事業者に供給されていた場合その他の経済産業省令で定める場合にあっては、経済産業省令で定める期間)にわたり、特定供給者が電気事業者に対し再生可能エネルギー電気を供給することを約し、電気事業者が当該認定発電設備に係る調達価格により再生可能エネルギー電気を調達することを約する契約をいう。以下同じ。)の申込みがあったときは、その内容が当該電気事業者の利益を不当に害するおそれがあるときその他の経済産業省令で定める正当な理由がある場合を除き、特定契約の締結を拒んではならない。
(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法 第四条)
ただ、一点注意することは急な倒産などで電力会社への切り替えがすぐにおこなえない場合、その期間の売電は止まってしまう恐れがありますので早急に電力会社に連絡してください。
初期費用など、費用はかからないの?
これは、新電力によって違いがありますので注意が必要です。
例えば、「エナリス」へ売電先を変更したい場合、発電設備が50kW以上の場合ですと同社の「FALCON SYSTEM」という発電モニターの設置が必要となります。
また、NTTスマイルエナジーの「エコめがねプラス」は「エコめがね」を設置しているユーザーのみとなっていますので、こちらも遠隔監視装置を既に導入している方には向いていないと言えます。
振り込みの間隔は?
新電力によっては売電収入の振り込みが3ヶ月毎となってるケースがあります。ローンを組んでいる場合、売電収入が入るまでの期間の支払いを建て替えることになりますので注意が必要です。
切り替えに掛かる時間や手間は?
多くの新電力は必要書類の提出のみで、契約元の電力会社との切り替え手続きは代行をおこなっています。必要な書類は接続検討申込書一式や、太陽光パネルを設置した際に施工業者から受け取ったものです。
また、手続き開始から切り替え完了まで新電力によって幅がありますが、高圧の場合6ヶ月、低圧の場合3~4ヶ月程度を見込んでいれば大丈夫だと思います。
その他
新電力によって買取可能なエリアが決まっています。太陽光発電設備を設置した地域によっては希望の新電力へ売電をおこなえないケースがありますので、こちらも確認要です。各社の対応エリアを比較してみますと、沖縄電力・北陸電力エリアが対象外となっているケースが多くなっています。
また、固定価格が32円案件も対象外となっていることも多くなっています。この点は固定価格と回避可能費用の兼ね合いがあり難しい点があると思われます。
(参考:固定価格買取制度と回避可能費用)
以下に、簡単なものですが比較した記事もリンクしておきますので参照してください。
各新電力による太陽光発電の電力買取 【比較・特徴】
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